「幻」
車の中に置き忘れた記憶は
夏の夜に現れる君の幻
サイドミラーが映す現実と
遠く時空をこえた声は
このまま 過去へ誘って
やり直すことなど
叶わない事だと
唱え続けなければ雨になる
走る街は忙しなく滲んで
信号に止まれば何故か憂鬱
ヘッドライトが照らす現実と
僅かな間に消えた香り
このまま 僕を連れさって
終わったストーリー
訪れぬ結末
願い続けていれば雨になる
心の奥底にしまった言葉
言えるはずはないよね
何度繰り返したって
着信履歴にふと気付き
帰りを急ぐよ
音楽のボリューム
上げて掻き消せ
予報を裏切り降り出す雨
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